赤い靴
横浜で行われている「はまみっくす」のワークショップの一環の
フィールドワークに午前中だけ参加する。
みなとみらいからシーバスに乗って、山下公園に。
そこに「赤い靴」の像があった。
え?赤い靴知らないの??
今回のフィールドワークは小学生から大人までいろいろな世代が集まっている。
横浜に住んでいても、横浜のことを知っている人、知らない人。
山下公園は関東大震災のがれきで埋め立てた公園である。
ホテルニューグランドにマッカーサーが泊まったこと。
ホテルニューグランドも歴史のあるホテル。
http://www.hotel-newgrand.co.jp/
興味深かったのがこのサイトのホテルの歴史。
http://www.hotel-newgrand.co.jp/framehist-ext.html
関東大震災後の横浜、いや日本の様子がわかりやすく書いてある。
それに、
マッカーサーが戦前にも横浜(ホテルニューグランド)に来ていた等。
ほんの小さな横浜の歴史を知ることで、日本の歴史を知ることができる。
横浜港は日本の玄関口だったからなのね。
横浜人として、もっともっと横浜のことを知りたくなった。
話はもどり「赤い靴」は横浜という言葉の出てくる童謡。
赤い靴の童謡を知らない人がいるのにびっくりする。
そういう時代なのか。
たしかに童謡はいつ習うのか?というふうに習うものでは
ないと思うのですが、
「知らない」のは、なぜか寂しい気がした。
山下公園の銅像のそばに、「赤い靴の童謡」のことを
説明してくれる親切なおじさんがいた。
しかし、たぶん赤い靴の童謡を知らない子供たちは、
この説明を聞いてもピンとこないだろう。
わたしでさえ、まだ疑問が残ったからだ。
私も意味がわからなくて歌っていた童謡はいっぱいある。
赤い靴もそのひとつ。説明を聞いても疑問が残ったのは、
その時代のことをよくわからないからだ。
それにしても、異人さんに つれられて 行っちゃった とは、
人さらいにあったのだと思っていた。
みなさん、4番まで歌えますか?
野口雨情作詞 本居長世作曲
赤い靴(くつ) はいてた 女の子
異人(いじん)さんに つれられて 行っちゃった
横浜の 埠頭(はとば)から 船に乗って
異人さんに つれられて 行っちゃった
今では 青い目に なっちゃって
異人さんの お国に いるんだろう
赤い靴 見るたび 考える
異人さんに 逢(あ)うたび 考える
赤い靴の話を簡単にでも説明できるようになりたいと思い、ちょっと整理してみた。
赤い靴は実在の人物「岩崎きみ」明治35年の静岡生まれ。
赤ちゃんの時、母親「かよ」と北海道に渡る。そこでかよと鈴木志郎と結婚。
開拓農場に入植するが、生活が厳しく、3歳になったきみちゃんを教会で宣教師をしていたアメリカ人、ヒュイット夫妻のところに養女に出す。
きみちゃんが6歳になった時、ヒュイットさんが本国に帰ることになり、
きみちゃんをつれて横浜から船に乗って帰国しようとするが、
きみちゃんの結核がみつかり、
船に乗せることができなかった。
きみちゃんは東京麻布にある教会の孤児院に預けられ、そこで9歳の時に亡くなる。
母親はきみちゃんを養女に出した後、どうなったかは知らなかった。
ヒュイットさんと一緒に本国に帰るということは知っていたかもしれない。
きみちゃんが船に乗らず、孤児院でなくなったことがわかったのは昭和48年。
この詩が野口雨情によって書かれたのは大正10年。鈴木と野口雨情は知り合いで、
きみちゃんを養女に出したことを話していた。
野口雨情も自分の子供を亡くした時でもあり、いろいろな思いが込められ、
赤い靴の詩を作ったのであろう。
だからこの詩は、野口雨情が作った物語であり、
きっと苦しい生活で、どうしようもない状況で養女に出すことになってしまった
きみちゃんは異人さん(ヒュイット)と一緒に横浜から
船に乗って、どこかで暮らしているのではないか?という想像の詩になったのだろう。
「異人さんにあうたび考える」
この言葉も複雑な想いがこもっているのでしょう。
ちなみに山下公園の「赤い靴はいてた女の子」の像は、1979年、彫刻家・山本正道氏の作。
山本正道氏といえば。。。。。
パーカッションとピアノが奏でる ちひろと山本正道の世界というコンサートを
ちひろ美術館でプロデュースしたことがあります。
そこで、山本正道の彫刻の作品がある空間にふれ、
オリジナル曲も作りました。
「大きな欅の木の下で」という打楽器ソロ。
私のオリジナル曲と赤い靴がつながる?
赤い靴を通して、意外なつながりを発見することができた。
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